Monday, July 18, 2011

アメリカのボーディングスクールは万人向けではない

事実の中よりも虚実の中に真実があるとしても、虚実ばかりに拘っていては面倒だ。真実は事実の中にも確かにある。

なぜアメリカのボーディングスクールは万人向けではないのか。答えは至って簡単である。ボーディングスクールで勉強することが当座の最終目的である人だけが、ボーディングスクールに向いている。

つまり、ボーディングスクールを卒業していたら、それ大学受験に有利だ、それ人脈が広がる、それ人生に勝てる(勝てる人生など大した人生ではないのだが)、やれ10年後に順風満帆なキャリアが待っている、20年後に地位と名声が得られている、等々、ボーディングスクールに将来の期待をしてしまっては本末転倒、これらの理由を第一、第二、第三の理由としてボーディングスクールへの入学を希望をするのであれば、ボーディングスクール以外の選択肢をも真剣に考慮した方がよいであろう。

大学受験がどうなろうが、大学に行こうが行くまいが、良い仕事に就けようが就けなかろうが(それは、良い職にありつけた方が良いには決まっているが)、貧乏になろうが裕福になろうが、有名になろうがそうでなかろうが、そんな先のことには関係なく、いや、関係はあるのだが、「結果」には関係なく、とにかく今、私は、僕は、ボーディングスクールに行く必要がある(これはあくまでも必要であって、願望のような中途半端なものではない)のであれば、是非、ボーディングスクールを調査し、ここだと思える学校があるのなら受験し、これぞ運命と思える学校と出会えたのならば入学するのがよいだろう。当然、費用面で問題がない、あるいは問題があっても何とか克服できそうな問題であれば、である。

ボーディングスクールのためのボーディングスクール、と言ってしまえばそれまでである。だがここに味噌がある。大学受験のためのボーディングスクールではない。(ボーディングスクールのためのボーディングスクール、という道に沿っていれば、大学受験でも必ず健闘できるはずである。)言うまでもないが、見栄のためのボーディングスクールでもない。ボーディングスクールのためのボーディングスクールという究極の論理的循環は、個人個人によってその内実が異なってくる。なので一色端に、具体的に定義づけることはできない。

ただ、その様々な側面を可能性の集合体として列挙し、主観的になりながらも、それらに少しばかりの解説を加えていくことは可能であろう。その可能性に賭けたい。次回からは、できるだけ時系列を尊重し(記憶の虚実云々などとほざいている輩ほど時系列を嫌うようである)、学校選びの段階から、なるべく詳しく解説していく所存である。

No comments:

Post a Comment