Saturday, September 24, 2011

初日臥病

始めて寄宿塾に入るるは夏季、彼方にては珍しき蝉も亦た鳴啼すること盛んなり。余、感冒を得、咽頭を傷む。治らざること三月にして、身を窶す。況や心をや。異国の地にて罹病すれば則ち望郷の念に及ぶべし。

医院に入りて一晩臥して、橘汁を与えれり。穀の味の如く、宜しからず。苹果汁を飲まんと欲す。食堂に在りて水筒に蔵むると雖も、然れども腐敗す。酢の如し。呑むこと能はず。哀しきかな。

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